- 2020.08.06
- 一般公開
もっと危機感を、逆ニクソン・ショック
『週刊新潮』 2020年8月6日号日本ルネッサンス 第912回7月24日、米国政府がテキサス州ヒューストンの中国総領事館を閉鎖すると、27日、中国政府が四川省成都の米国総領事館閉鎖で応じた。ヒューストンの中国総領事館は夜を徹して秘密書類などを燃やした結果、火災を引き起こし、放水する事態となった。同総領事館を米国における中国のスパイ活動の拠点だと断じた、ポンペオ米国務長官の言葉が真実味を帯びた事件だった。米中が在外公館閉鎖の異例の措置を取り合い、対立を深める中で、両国に挟まれている日本は否応なく運命の岐路に立たされる。急変する米中関係は日本の命運を決する一大事である。正しく対応しなければ未来永劫、わが国の国柄も国益も守れない。にも拘わらず、わが国のメディア、政界、世論のなんと静かなことか。...