- 2020.02.13
- 一般公開
ウイルスが切り崩す、中国独裁政権
『週刊新潮』 2020年2月13日号日本ルネッサンス 第888回14億人の国民の上に君臨する絶対的権力者、21世紀の終身皇帝を目指す習近平国家主席の実相を、新型コロナウイルスがこれでもかこれでもかと抉り出している。中国中部、武漢で発生したこのウイルスは中国共産党一党独裁体制と習近平氏の退場を促すきっかけになるやもしれない。たとえそこまで行かずとも、世界第二の大国の基盤の緩みは国際政治の力学を大きく変化させずにはおかないのではないか。習政権は今回のウイルスへの対応で、中国共産党が全く進歩していなかったことを世界に曝露する結果となった。彼らは17年前の重症急性呼吸器症候群(SARS)の経験から何も学んでいない。むしろ当時よりも後退している。...