- 2019.02.23
- 一般公開
チベット人に切実な法王後継者問題 中国共産党から仏教を守り通せるか
『週刊ダイヤモンド』 2019年2月23日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1268 米議会は昨年10月、超党派で「中国に関する議会・行政府委員会の年次報告書」を発表、中国共産党政府の少数民族弾圧は、「人道に対する罪」だと明記した。時効のない、最も厳しく追及されるべき犯罪という意味だ。同報告書は新疆ウイグル自治区を焦点としたが、チベットも同じである。中国政府のチベット弾圧は、ウイグル弾圧同様、激化するばかりだ。その中でチベット人にとって今年84歳になる法王、ダライ・ラマ14世の後継者問題はとりわけ切実である。チベット仏教には最高位の指導者としてダライ・ラマと、それに次ぐ地位のパンチェン・ラマが存在する。いずれも前任者の死を受けて幼児が後継者として選ばれる。チベット仏教の指導的僧侶たちが幼児を守り、立派な指導者として育て上げるが、それには20年近い歳月が必要だ。...