- 2021.03.04
- 一般公開
五輪、北京に開催の資格はあるのか
『週刊新潮』 2021年3月4日号日本ルネッサンス 第940回国際平和と友好を象徴し、政治を超越したスポーツの祭典とされながら、五輪はおよそいつも高度に政治とカネによって差配されてきた。だからこそ、いま警戒すべきは約1年後、北京冬季五輪の成功を介して勢力拡大をはかる中国共産党政権の目論見である。北京五輪より前の7月開幕予定の東京五輪は、五輪組織委員会会長に橋本聖子氏が就き、再起動した。前会長、森喜朗氏の「女性の多い会議は時間がかかる」という趣旨の発言が「女性蔑視」、五輪憲章の精神に著しく反すると、内外で激しい反発を招いた。森氏の発言は確かに不適切で、氏は謝罪し辞任した。視点を少し遠くに置けば、森発言への反発を北京五輪に敷衍して考えることの重要性が見えてくる。なぜなら、北京五輪開催を構える中国政府の所業は、森発言とは異次元の究極の人道に対する罪に相当すると見られているからだ。そんな中国が北京五輪の成功を引っ下げることで、国際社会において信頼される大国としての地位を固めようとしているのである。...