- 2019.07.11
- 一般公開
米中・米朝首脳会談、つきまとう危うさ
『週刊新潮』 2019年7月11日号日本ルネッサンス 第859回国際政治はテレビと共にある。安倍晋三首相の20カ国・地域(G20)首脳会議での巧みな采配も、惜しくも吹き飛ばされた感がある。世界の目は板門店でのトランプ・金正恩両首脳に集中し、その他の印象を消し去った。凄いものだ。6月30日、15時45分、トランプ大統領が韓国の「自由の家」からゆっくりと軍事境界線に向かって歩き始めると、北側からは金正恩朝鮮労働党委員長が歩み寄った。境界線の南北に二人が相対し、握手をし言葉を交わして、やがてトランプ氏が北側に足を踏み入れたとき、思わず私自身、大きな笑顔になった。メモをとりつつ、冷静に見ているつもりが、大きな笑顔がこぼれたのである。中継映像を見ていた人の多くも同様だったのではないか。...