- 2018.09.29
- 一般公開
八百万の神という神道の宗教観は多様性重視に向かう国際社会の手本に
『週刊ダイヤモンド』 2018年9月29日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1249 友人の伊藤穰一氏が慶應義塾大学から博士号を授与され、お祝いの会があった。氏の研究テーマを説明することは私の能力に余るが、お祝いの席での会話は刺激的で、私の頭の錆を少しずつ剥がしてくれた。伊藤氏を友人達は皆、親しみをこめて「ジョイ」(Joi)と呼ぶ。彼はマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボにおける初めての日本人所長だ。MITは88人ものノーベル賞受賞者を輩出してきた世界屈指の大学である。2011年の所長就任以来、伊藤氏は「境界線から、ハミ出ればハミ出るほど良い」という考えで、概念を打ち破る多数の研究プロジェクトを進めてきた。氏は近著、『教養としてのテクノロジー』(NHK出版新書)でこう指摘している。インターネットの普及からすでに20年、情報革命の時代は終わり、テクノロジーが経済や社会を根底から変えようとしている。だからこそ、テクノロジーの発達を哲学として理解することが大事だと。...