- 2023.03.16
- 一般公開
全人代、習近平の思惑をどう止めるか
『週刊新潮』 2023年3月16日号日本ルネッサンス 第1040回3月5日、中国の全国人民代表大会(全人代・日本の国会に相当)が開幕、李克強首相が最後の政府活動報告を行った。1時間足らずの淡々とした演説には、さまざまな意味が込められていた。その中から習近平国家主席の思惑を読みとってみる。李氏は報告を読み上げる中で何か所かを省略した。これらも含めて全て習氏の了承を得ているはずだが、省略されたのは「戦争準備の強化」や「軍の近代化の水準と実戦能力が著しく向上した」などの部分だった。香港及び台湾問題について共産党政権が厳しく対処し、秩序を確立したという部分は割愛され、ウクライナ侵略戦争についての言及は元々なかった。中国が国際社会の目を意識し、穏やかな印象を醸し出そうとしているのが読みとれる。西側社会はいま一致団結して、ウクライナに侵略戦争を仕掛けたロシアに対抗する構えを作っている。ロシアを非難せずロシアの側に立ち続ける中国には深い不信の目が注がれている。米国ではバイデン大統領、ブリンケン国務長官以下要人らが、中国がロシアに対する軍事支援に踏み切る兆候について言及し、そのようなことは深刻な結果を招く、と警告し続けている。...