- 2024.04.04
- 一般公開
何とも不思議な底力をもつ日本
『週刊新潮』 2024年4月4日号日本ルネッサンス 第1092回親中派と言えば、政治家ではかつて首相を務めた福田康夫氏を筆頭にその系譜に連なる人々、例えばエネルギーや安全保障分野での所業から河野太郎デジタル大臣や林芳正官房長官などが思い浮かぶ。各々幾十万の有権者の支持を得て国民のため、日本国のため、国政に携わっているはずだが、一体どの国のために働いているのかと苦々しく思うことが少なくない。十倉雅和経団連会長をはじめとする財界人にも同様の思いを抱く。そんな憂鬱な気分を吹き飛ばすのが皇學館大学文学部教授、松浦光修氏の『日本の心に目覚める五つの話』『日本の心を思い出す六つの話』(いずれも経営科学出版)だ。氏はまず、親中派は今に始まったことではなく大昔から日本にいたことを思い出させてくれた。そうなのだ、親中派が主流の時もあった。けれど日本はきちんと大和の道を歩んで日本独自のすばらしい国柄を創ってきた。そのことを忘れて、ただ気分を滅入らせるのは愚かなことだと教えてくれる二冊の著書である。...