- 2018.11.08
- 一般公開
友好の中でも、中国に塩を送り過ぎるな
『週刊新潮』 2018年11月8日号日本ルネッサンス 第826回米中新冷戦が進行する中で、対米関係で窮地に陥った中国との日中首脳会談が10月26日に行われた。これまでの首脳会談では、およそいつも日本が攻めこまれていた。今回は初めて日本が中国に注文をつけ得る立場で臨んだ。安倍晋三首相は日本優位へと逆転したこの状況を巧く活用したと、評価してよいだろう。日中間には日本国の主権に関わる案件として尖閣諸島や東シナ海のガス田問題等がある。日本の名誉に関わるものとして慰安婦問題をはじめとする歴史問題がある。安全保障及び経済問題として、米国共々膨大な被害を蒙っている最先端技術や情報などの知的財産の窃盗問題がある。事実この問題ゆえに、米国は中国に貿易戦争を仕掛けた。同盟国との協調という点からも、日本が中国に厳しく言わなければならない立場だ。産経新聞外信部次長の矢板明夫氏は、これらに加えて人権問題こそが最重要案件だと指摘する。...