- 2018.08.04
- 一般公開
人口学から見て非常に脆弱な中国 日本の真の国難も同様だ
『週刊ダイヤモンド』 2018年8月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1242 シンクタンク「国家基本問題研究所」は今年5月、創立10周年国際セミナーにフランスの歴史人口学者で家族人類学者のエマニュエル・トッド氏を招いた。氏は国家や国際関係を経済や軍事を軸とした戦略論ではなく、人口や家族形態の変化を軸に論ずることで知られる。たとえば博士号を取得した若き研究者の時代、旧ソ連の乳幼児の死亡率の高さから、同国の崩壊を予測した。歴史の展開を言い当てた氏は25歳にして国際的な評価を確立した。人口学から見た場合、少子高齢化の日本は脆弱国家そのものだ。トッド氏はわが国に鋭い警告を発し続けるが、もうひとつ、氏が非常に脆弱な大国とするのが中国だ。彼らの危機は人口動態にとどまらず、教育、国民の流出にあるという。...