- 2018.06.09
- 一般公開
お家騒動の真っ只中にある文藝春秋 論壇の中心を形成する日はくるだろうか
『週刊ダイヤモンド』 2018年6月9日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1234 月刊「文藝春秋」は「中央公論」と共に輝くような雑誌だった。物書きを目指す者たちが、その両方に毎月でも記事を書きたい、書かせてもらえる力量を身につけたいと願っていたはずだ。私はいま、物書きの端くれに連なっているが、私の物書き人生は文藝春秋から始まっている。初めて記事を載せてもらったのは34年前の1984年だった。「微生物蛋白について」という記事である。それ以前、私は英語で海外新聞用に記事を書いていたため、微生物蛋白の報告は日本語で書く最初の大型記事だった。微生物蛋白は元々、日本の技術で生まれ、海外で家畜の飼料として本格的に生産されていた。だが、日本では「石油蛋白」として報道されたために、印象も評判も悪く、各方面で集中砲火を浴び製品化には至らなかった。...