- 2018.07.12
- 一般公開
中国が進めるパックス・シニカの道
『週刊新潮』 2018年7月12日号日本ルネッサンス 第809回7月1日、東京で東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の閣僚会合が開催され、年内の大筋合意を目指すとの点で一致した。RCEPは日中韓豪印にニュージーランドと東南アジア諸国連合(ASEAN)10か国の、計16か国で構成される。実現すれば世界人口の約半分、GDPで約3割を占める巨大広域経済圏となる。日本がRCEPに求めるのは高水準の自由化、知的財産権の保護に代表される国際法の順守に加え、公正さや透明性だ。すでに米国が知財権侵害で中国を世界貿易機関(WTO)に提訴したように、世界の知財権窃盗の8割は中国によると言われる。悪質な知財権侵害は、とりわけ先進国にとって共通の深刻な問題である。...