- 2017.11.30
- 一般公開
米外交の敗北はキッシンジャー氏の助言か
『週刊新潮』 2017年11月30日号日本ルネッサンス 第780回先の米中首脳会談を、世界の多くのメディアが「アメリカの敗北」だと断じた。単にドナルド・トランプ大統領が習近平国家主席に敗北したのにとどまらず、世界の大潮流が変化を遂げてゆくとの予測ばかりだ。 インターネット配信の「言論テレビ」で、国家基本問題研究所副理事長の田久保忠衛氏は、トランプ氏のアジア歴訪を「大国の自殺」と表現した。...
『週刊新潮』 2017年11月30日号日本ルネッサンス 第780回先の米中首脳会談を、世界の多くのメディアが「アメリカの敗北」だと断じた。単にドナルド・トランプ大統領が習近平国家主席に敗北したのにとどまらず、世界の大潮流が変化を遂げてゆくとの予測ばかりだ。 インターネット配信の「言論テレビ」で、国家基本問題研究所副理事長の田久保忠衛氏は、トランプ氏のアジア歴訪を「大国の自殺」と表現した。...
『週刊ダイヤモンド』 2017年11月25日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1208 後世、ドナルド・トランプ米大統領の初のアジア歴訪は、米中の力関係逆転の明確な始まりと位置づけられるだろう。そこに含まれている歓迎すべからざるメッセージは中国共産党の一党独裁が、米国の民主主義に勝利したということであろう。中華民族の偉大なる復興、中国の夢、一帯一路など虚構を含んだ大戦略を掲げる国が、眼前の利害に拘り続けるディールメーカーの国に勝ったということでもある。日米両国等、民主主義でありたいと願う国々が余程自覚し力を合わせて体制を整えていかない限り、今後の5年、10年、15年という時間枠の中で国際社会は、21世紀型中華大帝国に組み込まれてしまいかねない。孫子の兵法の基本は敵を知り、巧みに欺くことだ。中国側はトランプ氏とその家族の欲するところをよく分析し、対応した。自分が尊敬されているところを形にして見せて貰うことに、過去のいかなる米大統領よりも拘る性格があると、米紙「ウォールストリート・ジャーナル」が11月10日付で書いたのがトランプ氏だ。中国側はこの特徴を巧みに利用した。それが紫禁城の貸し切りと100年以上未使用だった劇場での京劇上演に典型的に表れた。...
『週刊新潮』 2017年11月23日号日本ルネッサンス 第779回トランプ敗れたり。これが北京での米中首脳会談、それに続くベトナム・ダナンでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)におけるドナルド・トランプ、習近平両首脳の発言を聞いての結論である。私たちの眼前で起きているのは、米中どちらが世界のルールメーカーになるかの、熾烈な闘いだ。かつて東西の冷戦でアメリカはソ連に勝利した。いま米中の闘いは米ソのそれのようにイデオロギーで割りきれる単純なものではない。...
『週刊ダイヤモンド』 2017年11月18日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1207 ドナルド・トランプ米大統領歓迎の晩餐会で韓国政府が「独島エビ」を献立に、元慰安婦をゲストに加えたのにはいささか驚いた。菅義偉官房長官は、「外国が他国の要人をどのように接遇するかについて政府としてコメントを差し控えるが、どうかとは思う」と語った。本当に、どうかと思う。歴史を振りかえれば、竹島は間違いなくわが国の領土で韓国が不法に占拠しているにすぎない。他国の領土問題には介入しないのが米国の建前だが、実は竹島は日本国の領土であるとの立場は共有している。わが国は大東亜戦争で敗北、占領された。占領が終わりに近づいた昭和26(1951)年、どの範囲を日本国の領土とするかについて連合国側は調査に入った。米国案は主な4つの島に加えて竹島も日本の領土として認めていた。これがサンフランシスコ講和条約の第二条(a)である。...
『週刊新潮』 2017年11月16日号日本ルネッサンス 第778回北朝鮮相手の過去20年余の交渉の歴史は常に北朝鮮の騙し勝ちに終わってきた。拉致問題の解決も非常に厳しい。解決の可能性があるとすれば、それはやはり、安倍政権下でのことだろう。11月6日、横田早紀江さんら拉致被害者10家族17人の皆さんがドナルド・トランプ大統領と面会した。同日の夕方、早紀江さんと電話で語った。彼女の声がかすれている。「主人がいまデイ・ケアから戻ってきました。ソファで一休みしてもらっています。私も大統領や総理とお会いして先程戻ったばかりです」...
『週刊ダイヤモンド』 2017年11月11日新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1206 久々にほっとするニュースだ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際諮問委員会(IAC)が、中韓両国等9カ国15団体が「世界の記憶」として共同申請した慰安婦資料の登録の見送りを10月31日、正式決定した。彼らの申請資料は2744点、慰安婦を「強制連行の被害者」「性奴隷」ととらえて日本を非難するものだ。2年前、中国によって「南京大虐殺」が登録された。30万人もの大虐殺が存在しなかったことは、学術的研究によってすでに明らかだ。にもかかわらず、中国は登録に成功した。...
『週刊新潮』 2017年11月9日日本ルネッサンス 第777回11月5日からドナルド・トランプ米大統領がアジアを歴訪する。北朝鮮情勢が緊迫する中で最も注目したいのが中国訪問である。 折しも習近平国家主席は第19回中国共産党大会を乗り切ったばかりだ。自身への権力集中で専制独裁者並みになった習氏にトランプ氏はどう向き合うのか。アメリカは価値観の旗を掲げ公正な秩序の形成と維持に貢献し続けられるか。トランプ・習会談は、間違いなく、アジア、とりわけ日本の命運を大きく左右する。...
『週刊ダイヤモンド』 2017年11月4日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1205中国共産党第19回全国代表大会での習近平国家主席の演説を日本語訳で読んだ。「中華民族は世界の民族の中にそびえ立つ」などの表現をはじめ、国民の愛国・民族感情に訴えつつ、世界にそびえ立つ超大国を目指していることがどの文節からも伝わってくる。習氏が謳い上げた中国の本質は、中国は呑み込む国だということだ。周辺諸国は中国と関わることで呑み込まれてしまう。習氏は演説冒頭で「小康社会」を実現し、「中華民族の偉大な復興という夢を実現する」と国民に呼びかけた。小康社会とは「経済、民主、科学、教育、文化がいっそう発展、充実し、社会が調和的になり、人民の生活がいっそう豊かになった」社会だという。その目標を2020年までに達成し、その後、30年間奮闘して新中国建国から100周年(49年)までに「社会主義現代化国家」を築き上げるという。...
『週刊新潮』 2017年11月2日号日本ルネッサンス 第776回10月22日の総選挙は、安倍自民党の圧勝、改憲勢力の大勝に終わった。ひと月足らずの選挙戦はどんでん返しの連続だったが、日本が取り組むべき重要課題、即ち憲法改正に積極的に取り組める枠組みができた。日本の前には数々の難題や課題がある。今回の総選挙で国民は、まさにそれら国難に立ち向かい、日本の愁眉を開く道を、選んだのだ。まず、足下の北朝鮮問題である。見通しは非常に厳しい。日本は直ちに堅固な国防体制を整えなければならない。だが、中・長期的に見て日本のみならず、西側陣営全体が警戒しなければならないのは中国である。...
『週刊ダイヤモンド』 2017年10月28日新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1204 朝鮮半島問題でいつも深い示唆を与えてくれる「統一日報」論説主幹の洪熒(ホン・ヒョン)氏がこのところ頻りに繰り返す。「韓国も北朝鮮もレジームチェンジが必要だ」と。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がその国民を幸せにせず、周辺諸国に重大な危機をもたらしていることから考えれば、北朝鮮のレジームチェンジに多くの反対はないのではないか。では、韓国の文在寅政権の場合はどうか。洪氏が語る。...
『週刊新潮』 2017年10月26日日本ルネッサンス 第775回米朝間の緊張は緩む気配がない。朝鮮半島有事が現実のものとなる日が極めて近いことが読みとれる。政府中枢にいる人物が匿名で語った。「米軍の攻撃は今年末から来年早々だと思います」同じく匿名で自民党幹部も語った。...
『週刊ダイヤモンド』 2017年10月21日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1203 小池百合子氏が選挙戦の最前線で、安倍晋三首相への非難を強めている。小池氏の安倍非難にちりばめられているのが「モリ・カケ問題」「お友達だ、忖度だ」などの言葉だ。かつての盟友も何のその、氏はあけすけな批判を繰り返すが、本当に森友学園、加計学園問題で安倍首相が「お友達」に便宜をはかり、優遇したと思っているのか。だとしたら、政権与党で閣僚などの重要な地位にあり、いま東京都知事としての重責を担う割には、氏の情報収集・精査能力には重大な欠陥がある。「モリ・カケ」問題で安倍首相が個人として関わった事実のないことはすでに明らかだ。前愛媛県知事、加戸守行氏らの陳述を読めばよくわかるはずだ。それにしても、聡明なはずの小池氏をはじめ少なからぬ人々、とりわけテレビのワイドショーをよく見る人々がモリ・カケ問題で安倍首相への疑惑を払拭しきれないとしたら、それはメディア側の責任も大きい。事実を伝えないメディアがいかに人々の判断を狂わせ、国を揺るがすか。韓国で発生した重大事態が示している。...
『週刊新潮』 2017年10月19日号日本ルネッサンス 第774回アメリカのテレビネットワークNBCは10月4日午前、国務長官のレックス・ティラーソン氏がドナルド・トランプ大統領を「moron」と評し、辞任も考えていたと報じた。moronはidiot同様、バカ者、或いは知能の低い者の意味だ。同日、ティラーソン氏は突然記者会見を開き、辞任は考えたこともないと否定し、トランプ氏を激賞した。トランプ氏もティラーソン氏への「全面的な信頼」を表明した。だが、アメリカのメディアは一斉に、ティラーソン氏がトランプ氏との政策上の対立ゆえに辞任する、或いは解任されるとの推測記事を報じた。「ワシントン・ポスト」紙は5日、政権関係者19人への取材をまとめて報じたが、全員匿名で登場した19人は、国務長官は遅かれ早かれ辞任に追い込まれるという点で意見が一致していた。有力シンクタンク、外交問題評議会会長のリチャード・ハース氏は「政権内での意思の疎通がはかれないティラーソン氏は辞任すべきだ」とコメントを出した。...
『週刊ダイヤモンド』 2017年10月14日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1202 日本中が総選挙の話題に気を取られている中で、中韓両国の対日歴史戦が着実に激化している。中国主導でユネスコに慰安婦問題を登録する悪意に満ちた申請がなされ、それに対する回答が今月下旬に明らかになる。状況は厳しく、楽観は許されない。「南京大虐殺の記録」を記憶遺産として登録されてしまったように、わが国は再び、中国による捏造の歴史の汚名を着せられるかもしれない。また慰安婦登録を回避できたと仮定しても、次は間違いなく徴用工が取り上げられる。同問題に関しては、すでに韓国で映画「軍艦島」が製作された。通称軍艦島、長崎県の端島で戦前、朝鮮半島から強制連行された人々が奴隷労働を強いられ、虐待、虐殺に苦しんだと主張する作品だ。...
『週刊新潮』 2017年10月12日号日本ルネッサンス 第773回安倍晋三氏の自民党を選ぶのか、小池百合子氏の、名目上は希望の党だが事実上の民進党を選ぶのか、10月の選挙はわが国の命運を左右する政権選択選挙となった。それにしても前原誠司氏はどんなことを期待して、150億円に上る政党交付金と680万票を有するといわれる労組、連合をつけて、小池氏に民進党を差し出そうとしたのだろうか。前原氏が民進党全員の受け入れを小池氏に依頼したのに対し、小池氏は安保法制と憲法改正に賛成することという条件をつけて、一人一人の議員の選別をすると言い始めた。前原氏が、このような小池氏による「排除」の論理を予測して、民進党左派の切り捨てを目論んだとは思えないが、実はその作業こそ、ある意味で前原氏に期待されていたことだった。...
『週刊ダイヤモンド』 2017年10月7日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1201民進党が小池百合子氏の「希望の党」に吸収される。「しがらみのない政治」「日本をリセットする」「寛容な改革保守政党を目指す」と小池氏は語る。具体的に何を指すのか不明だが、その核心は民進党代表の前原誠司氏の「どんな手段を使っても、どんな知恵を絞ってでも安倍政権を終わらせる」という言葉に凝縮されているだろう。平和安全法制が議論されていたときに国会を取り囲み、「アベ政治は許さない」と叫んだ左翼の人々と同じではないか。そのデモに民進党は幹部以下多くの議員を送り込み、デモ隊と一緒に平和安全法制は「戦争法案だ!」「人殺しのための法案だ!」と声を上げた。それが今、小池氏と一緒になって「現実的な安全保障政策」を推進するというのは悪い冗談だ。名前は変わっても実態が同じなら、この党は「政党ロンダリング」によって生まれたと言われても仕方がない。希望の党のもうひとつの側面は、選挙が不安な人々の議席確保への死に物狂いの執着である。自民党の内閣府副大臣だった福田峰之氏は現職の副大臣でありながら小池氏の元へ馳せ参じた。氏は過去2回神奈川8区の選挙区で立候補し、いずれも敗北して比例復活した。自民党は比例復活でしか当選できない議員、言いかえれば地元有権者から十分な支持を受けられない人物については厳しい。一応のルールとして連続2回比例で復活した議員は候補者調整の対象となる。福田氏は次の選挙では公認を得られない可能性があった。...
『週刊新潮』 2017年10月5日号日本ルネッサンス 第772回北朝鮮危機の中で安倍晋三首相が衆院解散を表明した。野党は早速、「大義がない」「森友・加計疑惑隠しだ」などと批判した。だが野党はつい先頃まで、森友・加計問題に関連して、早期の解散総選挙を求めていた。それが本当に選挙となると反対するのはどういうことか。安倍首相は9月25日夕方の記者会見で解散の理由として、消費税の使途に関しての変更と共に、迫り来る北朝鮮の脅威に言及した。首相はこの解散を「国難突破解散だ」と語ったが、その言葉どおり、日本が直面する危機、とりわけ北朝鮮の脅威は尋常ではない。韓国で進行中の、革命的変化と相俟って、朝鮮半島情勢の激変は私たちが長年当然だと見てきた極東情勢の一変につながると考えてよい。...
『週刊ダイヤモンド』 2017年9月30日新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1200 9月19日、ドナルド・トランプ米大統領が初めての国連総会演説で拉致問題に言及した。「かわいらしい13歳の日本の少女は古里の海岸からさらわれ、北朝鮮のスパイの日本語教師にさせられた」米国の大統領による思いがけない言及に、横田早紀江さんが笑顔で取材に応じていた。その2日前に開催された、「今年中に全拉致被害者を取り戻す国民大集会」に、早紀江さんは夫の滋さんと、御自身の体調不良を理由に初めて欠席した。彼女の笑顔は、御夫妻が米大統領の言葉に勇気づけられていることを物語っていた。...
『週刊新潮』 2017年9月28日号日本ルネッサンス 第771回横田めぐみさんの拉致から今年で40年、家族会結成から20年、蓮池薫さんら5人の帰国から15年だ。長い年月が過ぎ去ってしまった。13歳のめぐみさんは53歳に、御両親の滋さんと早紀江さんは84歳と81歳になった。それでもまだ、日本国は拉致被害者を救い出し得ていない。なぜか。この問いについて私は昨年12月22日号の本誌で、小泉政権下で拉致被害者家族担当の内閣官房参与を務めた中山恭子氏の体験をお伝えした。02年に当時の小泉純一郎首相が訪朝し、5人が帰国した。外務省は1週間の滞在後、5人を北朝鮮に帰すつもりでいたが、中山氏は日本国政府の意思として全員を日本に残すべきだと主張した。...
『週刊ダイヤモンド』 2017年9月23日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1199世の中のメディア不信が高まっている。森友学園問題や加計学園問題で際立ち始めたメディア不信の原因は偏向報道にある。テレビ報道に焦点を当てれば、NHKと民放のおよそ全てのニュース番組、ワイドショーの偏向は、テレビ史に残る汚点である。たとえば、加計学園問題の当事者、加戸守行前愛媛県知事が7月10日、国会閉会中審査に前川喜平前文部科学事務次官と共に出席して意見を述べたときの報道だ。NHK、NTV、TBS、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビ6局の30番組で加計学園問題の報道は8時間44分、その内前川氏の発言は2時間33分報じられた。前川発言と真っ向からぶつかる加戸氏の発言は6分しか報じられなかった。前川氏は「安倍首相の政治的圧力で行政が歪められた」、加戸氏は「歪められた行政が正された」と主張し、両氏は対立した。...
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