- 2016.12.15
- 一般公開
日露関係を左右するプーチンの人柄
『週刊新潮』 2016年12月15日号日本ルネッサンス 第733回ウラジーミル・プーチンロシア大統領の来日が近い。12月15日には安倍晋三首相の地元、山口県長門市で、翌日には東京で、会談が行われる。 首脳会談に向けた最後の準備に岸田文雄外相がロシアを訪れたが、岸田氏を迎えるロシアの雰囲気は控え目に言っても厳しかった。...
『週刊新潮』 2016年12月15日号日本ルネッサンス 第733回ウラジーミル・プーチンロシア大統領の来日が近い。12月15日には安倍晋三首相の地元、山口県長門市で、翌日には東京で、会談が行われる。 首脳会談に向けた最後の準備に岸田文雄外相がロシアを訪れたが、岸田氏を迎えるロシアの雰囲気は控え目に言っても厳しかった。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年12月10日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1161天皇の譲位を認めるべきか否かについての専門家16人からの意見聴取が11月30日に終わった。意見は大きく3つに分かれている。(1)譲位を恒久的制度とする、(2)譲位を認めつつも、今回限りの特別措置とする、(3)譲位ではなく摂政を置く、である。 私は専門家の1人として、天皇陛下のお気持ちに沿うべく、最大限の配慮をすると同時に、そうした配慮と国の制度の問題は別であることを認識して、(3)を主張した。皇室と日本国の永続的安定のためにもそれが良いと考えた。...
『週刊新潮』 2016年12月8日号日本ルネッサンス 第732回11月23日、シンクタンク「国家基本問題研究所」のセミナーには約800人の聴衆が参加した。「トランプ政権と日本の決断」と題して約3時間半、活発な議論が続いた。会場後方には各テレビ局のカメラが並び、新聞社及び雑誌社の記者も取材した。 マスコミ席の近くに座っていた一般会員の若い女性が、私に語った。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年12月3日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 11603・11の悲劇で日本人が意気消沈していたとき、日本研究の重鎮、ドナルド・キーン氏は日本国籍を取得して日本人となった。氏は『明治天皇を語る』(新潮新書)で明治天皇の人柄について詳述し、愛情を込めて「ようするにかなり変わった日本人だった」と評している。「刺し身が嫌い、花見も嫌い、清潔さに興味がない」からだというが、それぞれ背景がある。まずは花見だ。 ...
『週刊新潮』 2016年12月1日号日本ルネッサンス 第731回近隣諸国から歴史問題を突き付けられる年月が重なり、それでなくても、GHQの占領政策に始まる戦後教育で「軍国主義」の弊害を教えられてきた日本人は、軍や戦争などというと、ほぼ自動的に全て悪いことばかりだったと思いがちだ。「日本だけが悪くて戦争をしたのではない。戦争に至った事情をよく見れば、当事国全てに相応の原因と責任がある」と主張してきた私でさえも、旧日本軍を人間的側面から正当に評価してきたかといえば、そうではない。 ...
『週刊ダイヤモンド』 2016年11月26日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 115911月16日、チベット仏教最高位のダライ・ラマ法王14世は、赤い法衣から右腕を出したまま、にこやかに車から降り立った。衆議院第1議員会館大講堂で超党派の議員団が主催する法王の特別講演会が行われるのだ。 私は議員ではないが、同会の世話人就任を依頼された。理由は5年前、シンクタンク「国家基本問題研究所」が超党派議員団と共にインドを訪れたときに、自民党の下村博文、山谷えり子両氏と共にインド北部のダラムサラにチベット亡命政府を訪ね、法王にお会いし、それが日本国議員団とチベット交流の嚆矢となったからだろう。...
『週刊新潮』 2016年11月24日号日本ルネッサンス 第730回8月8日の今上陛下の「お言葉」で、私たちは改めて天皇の役割と日本国の在り方について根本から考える機会を得た。政府は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」を設置。11月14日、私は専門家16人の1人として意見を述べた。 有体にいえば、陛下のお気持を人間としての思いを軸に受けとめる場合と、国の在り方を基に判断する場合とでは、結論は異なりかねない。従って、いますべきことは、いわば情と理の2つの次元が近づき融和するところまで叡智を絞って辿りつくことである。そのための努力が必要だと私は思う。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年11月19日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1158「米国のメディアの全てが間違った。なぜか」「トランプ氏は世論調査など信じないと言い、われわれはそれを軽蔑したが、結局、彼が正しかった。なぜか」。自問する声が米国大統領選挙の開票番組で飛び交った。「クリントン優勢」「クリントンの圧勝でも驚かない」と報道される中、「目の覚めるような大逆転」でドナルド・トランプ氏が勝った。ヒラリー・クリントン氏はその当日、トランプ氏に電話をかけ、自らの敗北を認めたものの、支持者の前に立ち、敗北宣言をすることもなく、「今日は語らない」とのメッセージを出しただけだった。彼女の敗北感がいかに深かったか。 ...
『週刊新潮』 2016年11月17日号日本ルネッサンス 第729回『文藝春秋』元名物編集長の堤堯氏が嘆く。─氏と同年代(70代後半)の日本男児が余りにも歴史を知らないと。「仙台の中学の同期生、12~13人の集まりで通州事件を知ってるかと尋ねたら、知っていたのがわずか3~4人。歴史呆けは若いモンだけじゃない」 ...
『週刊ダイヤモンド』 2016年11月12日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 115710月末の日曜日、早朝の便で長崎に飛んだ。明治産業遺産関連の取材で、昨年7月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)に「明治日本の産業革命遺産」として登録された端島、通称、軍艦島に向かった。 晴天に恵まれ、海は穏やかだった。港や桟橋などの施設が乏しい軍艦島は、波が高くなると上陸できないため、島に上がれるのは年間200日ほどだという。私は長崎市内から陸路伝いに南の方まで下り、野々串港という小さな漁港で小舟に乗った。...
『週刊新潮』 2016年11月10日号日本ルネッサンス 第728回韓国の混乱が深まるばかりだ。朴槿恵大統領に与えられた問題処理の時間は極めて短い。この原稿を執筆中のいまも、大統領秘書官たちの自宅や事務所が検察の捜索を受けたなどの情報が入ってくる。 韓国で最も信頼されていると言われる言論人、趙甲濟(チョ・ガプジェ)氏は朴大統領が問題処理のタイミングを逃せば、左翼陣営のみならず、保守陣営もソウル市中心部の光化門広場に繰り出し、退陣を要求すると、警告する。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年11月5日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1156フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が来日した。安倍晋三首相との首脳会談で、大統領は南シナ海問題を持ち出し「日本とフィリピンは同じような状況にある」「われわれは常に日本の側に立つ」と、それぞれ2回、繰り返したという。 安倍首相はドゥテルテ大統領の本音を聞くべく、首脳会談後に両首脳を含めて6人のみが参加する小規模会談を設けた。同会談は首脳会談の2倍の長さの70分に及んだと、「産経新聞」の田北真樹子氏が書いている。明らかに安倍首相はドゥテルテ大統領の心を開いたのだ。財界人との会合で「日本が大好きだ」と大統領は繰り返した。...
『週刊新潮』 2016年11月3日号日本ルネッサンス 第727回日本の国土を外国資本が買い漁っている事実は旧聞に属する。日本政府が、自民党政権の時も民主党政権の時も有効な対策を講じてこなかったのも周知のことだ。外国資本に好き放題の国土買収を許してきた日本は異常だが、それでも沖縄の米軍用地の1割を中国人が買収していると聞けば、心底、驚かざるを得ない。 10月21日、インターネット配信の「言論テレビ」で中田宏元衆院議員が語った内容は、日本国の土台が浸食されているというものだった。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年10月29日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1155当欄の原稿執筆中のいま、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が中国を訪問中である。大統領は10月19日までに中国国営中央テレビの取材に応じ、「中国がフィリピン経済にとって唯一の希望だ」と語った。20日の習近平国家主席との会談では、南シナ海問題が事実上棚上げにされる。 オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、中国の主張を全面的に退けた裁定を、なぜ中国に突き付けないのか。フィリピンの国土と領海を奪い、軍事要塞化を続ける中国に「礼を重んじる東洋的なやり方」で応じるのはなぜか。反対に少なくとも南シナ海問題でフィリピン側に立つ米国に、なぜ、罵詈雑言を投げ付けるのか。...
『週刊新潮』 2016年10月27日号日本ルネッサンス 第726回いま、世界のどの国よりも必死に21世紀の地球の覇者たらんと努力しているのが中国だ。彼らは習近平国家主席の唱える中国の夢の実現に向かって走り続ける。そのひとつが、宇宙制圧である。21世紀の人類に残された未踏の領域が宇宙であり、宇宙経済を支配できれば、地球経済も支配可能となる。宇宙で軍事的優位を打ち立てれば、地球も支配できる。 10月17日、中国が2人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「神舟11号」を打ち上げた背景には、こうした野望が読みとれる。内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターから飛び立った中国の6度目の有人宇宙船打ち上げは、無人宇宙実験室「天宮2号」に48時間後にもドッキングし、2人の飛行士は30日間宇宙に滞在する。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年10月22日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1154日本時間の10月10日午前、米国大統領選挙戦2回目のヒラリー・クリントン氏vsドナルド・トランプ氏の討論会には気がめいった。「うそつき」「下品でわいせつ」「愚か者」「不作法者」「無資格者」等、考えつく限りの罵詈雑言を互いに投げ付け合った90分間だった。これが世界の超大国のリーダーたらんとする人物同士の討論かしらと、視聴したおよそ全員が思ったはずだ。 ...
韓国のソウル大学経済学部教授、李榮薫(イ・ヨンフン)氏が「日本軍慰安婦は単なる『軍部隊の公娼』」、「軍や警察に『不正に拉致』されたという主張は、ほとんどが口述記録であり、客観的資料としての信憑性がない」などと述べ、慰安婦強制連行説及び性奴隷説を否定した。 これは、韓国近現代史のネット連続講義「李榮薫教授の幻想の国」の最終回、「第12回慰安所の女性たち」の内容である。2時間超の講義は、8月22日と23日に公開された。 李氏は韓国近代経済史研究の第一人者といってよい。氏はこれまでに『大韓民国の物語』(文藝春秋)、『代案教科書』などの「問題作」を世に問うてきた。実証的研究に基づく著作は、いずれも日本に対して驚く程、公正で、それ故に韓国で批判された。同時に、親北朝鮮の左翼的教科書を真っ向から否定し、挑戦した『代案教科書』は驚異的多数の韓国人が読んだ作品でもある。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年10月15日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1153 衆院予算委員会で安倍晋三首相が、外国人や外国資本による森林や水源地の買収が急速に進んでいる事態について問われ、こう答えた。「安全保障上、重要な国境離島や防衛施設周辺での外国人や外国資本による土地取引・取得に関しては国家安全保障に関わる重要な問題と認識している。水源の保全についても重要な観点と思っており(対応を)検討していきたい」 ...
『週刊新潮』 2016年10月13日号日本ルネッサンス 第724回明星大学特別教授の髙橋史朗氏から1枚の写真が送られてきた。ソウルで開催された、慰安婦問題の関連資料をユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産に登録するための「第3回準備会合」の様子を写したものだ。歴史情報戦における日本の決定的な立ち遅れを示すと共に、昨年、「南京大虐殺」関連資料を記憶遺産として登録されてしまったあの悲惨な敗北の再来も予見させる。 準備会合で中央に陣取る白髪の西洋人はオーストラリア国籍のレイ・エドモンドソン氏、氏の左横には日本人の渡辺美奈氏の姿もある。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年10月8日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 11529月26日(日本時間27日)の米国大統領候補によるテレビ討論はあらためて、大変化に備えよという世界各国への警告になったのではないか。 討論の勝者は誰か。直後の世論調査ではクリントン氏の勝利とみた人が62%、トランプ氏は27%だった。...
1,870円(税込)
ロシアを従え、グローバルサウスを懐柔し、アメリカの向こうを張って、日本への攻勢を強める独裁国家。狙いを定めたターゲットはありとあらゆる手段で籠絡、法の不備を突いて深く静かに侵略を進め、露見したら黒を白と言い張る謀略の実態と大きく揺らぐ中国共産党の足元を確かな取材で看破し、「不都合な真実」を剔抉する。
990円(税込)
「日本を取り戻す」と叫んだ人。古事記の神々や英雄、その想いを継いだ吉田松陰、橋本左内、横井小楠、井上毅、伊藤博文、山縣有朋をはじめとする無数の人々。日本史を背負い、日本を守ったリーダーたちと安倍総理の魂と意思を、渾身の筆で読み解く。
968円(税込)
核恫喝の最前線で9条、中立論、専守防衛、非核三原則に国家の命運を委ねる日本。侵略者を利する空論を白日の下にさらす。 【緊急出版】ウクライナ侵略、「戦後」が砕け散った「軍靴の音」はすでに隣国から聞こえている。力ずくの独裁国から日本を守るためには「内閣が一つ吹っ飛ぶ覚悟」の法整備が必要だ。言論テレビ人気シリーズ第7弾!