- 2016.06.11
- 一般公開
オバマ大統領の広島訪問で考えた 指導者の「言葉」と「行動」のギャップ
『週間ダイヤモンド』 2016年6月11日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1136 5月27日、オバマ米大統領の広島訪問のテレビ中継に見入ってしまった。大統領が被爆者の森重昭さんを原爆慰霊碑の前で抱き寄せた姿には、誰しも感動したことだろう。原爆を投下した国とされた国、その2つの国の思いを背負った2人の人物が、71年後に思わず知らず、歩み寄り、抱き合った。 その瞬間に生まれた心の通い合いの意味を、私は決して否定するものではない。しかし、一瞬の間を置いてわれに返った。考え始めたといってよい。果たしてこれでよいのか、と。その思いはおのずとオバマ大統領の広島訪問の意味を、その直前に行われたスピーチと重ね合わせて考える作業につながった。...