- 2015.04.23
- 一般公開
中国の蛮行、後手に回り続けるアメリカ
『週刊新潮』 2015年4月30日号日本ルネッサンス 第653号アメリカのシンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)のホームページに掲載されている何十枚もの航空写真ほど、中国の本音が透けて見えるものはない。南シナ海で猛烈な埋め立て工事を進めている中国の蛮行振りは、言葉では中々伝わりづらい。しかし、鮮やかな一群の写真を通して東南アジア諸国だけでなく、日本もインドもオーストラリアも、さらにはアメリカも深い痛手を負うことになりかねない危機的な状況が、実感として伝わってくる。 ひと月ほど前の3月19日、ジョン・マケイン上院軍事委員長、ボブ・コーカー上院外交委員長などアメリカの有力上院議員4氏が連名で国務、国防両長官宛に出した書簡には切迫感が溢れていた。南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で、中国が「侵略的」(aggressive)行動を続けており、アメリカと同盟国は「深刻な危機に直面している」という内容である。...