- 2015.10.24
- 一般公開
南京大虐殺が世界記憶遺産へ 悔やみ切れない敗北を喫した対中戦略
『週刊ダイヤモンド』 2015年10月24日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1105中国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界記憶遺産として登録申請した「南京大虐殺」が、審査委員会の全会一致を得て登録された。日本外務省は、申請却下に向けて働き掛けたが中国が申請資料を最後まで明らかにしなかったために、十分な対応が取れなかったと弁明する。日本国政府の歴史問題に関する情報発信は歯がゆいばかりにお粗末だ。今回の悔やみ切れない敗北と、環太平洋経済連携協定(TPP)の取り組みを比べると、敗因はおのずと明らかだ。両案件はいずれも安倍晋三首相が力を注いだ、国益を懸けた闘いである。TPPは甘利明氏を担当大臣とし、全省庁の英知を結集、自民党も農家の説得をはじめ全力を注いだ。...