- 2015.02.26
- 一般公開
福島復興は地方の”自立”から
『週刊新潮』 2015年2月26日号日本ルネッサンス 第644回福島では、いまも12万人が古里をはなれ、借り上げ住宅などに住んでいる。そんな人々も必ずいつか古里に戻ってくるように、浜通りを走る国道6号線を中心に野も山も桜の花で埋めてみせようと、地元のNPO法人、ハッピーロードネット(HRN)の人たちが桜の植樹を始めたのは3年前だった。2月15日に行われた植樹祭は、年々参加者がふえ、今年は北海道や鹿児島からも人々が集った。頬が裂けるようなピリピリと冷たい強風の中で、桜や雪柳、れんぎょうなど1200本余の苗木を植えた。閉会の挨拶を、双葉翔陽高校1年生の山田拓実君が行った。彼の高校は2年後に事実上の閉校となる。双葉、富岡、浪江などの各高校も同じ運命を辿る予定だ。山田君が彼にとっての植樹式の意味を語った。...