- 2015.03.21
- 一般公開
不用意だと言わざるを得ない独メルケル首相の歴史問題発言
『週間ダイヤモンド』 2015年3月21日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1076 1989年11月9日にベルリンの壁が崩れ、1週間後、私は壁の前にいた。壁に沿って多くの人たちが歩いていた。歴史の大変化を深く感じつつ、私も彼らに交じって歩いた。壁のこちら側とあちら側では世界はどれほど異なっていたのか。その絶望的な相違は、東側から脱出を図って西側に入る直前に東ドイツ兵に銃撃されて命を落とした人々の墓が、幾十も幾百も並んでいたことからも見て取れた。現地の記念館には脱走に関する多くのエピソードがつづられており、読むだけで息苦しくなったのを覚えている。 ...