- 2015.01.03
- 一般公開
原油価格急落で窮地のロシアを他山の石にすべき日本の現状
『週刊ダイヤモンド』 2014年12月27日・2015年1月3日合併号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1065 ロシアのプーチン大統領が深刻な苦境に陥り、経済に構造的問題を抱える国の弱さが露呈された。そのことはしかし、膨大な財政赤字でもなお、経済の構造改革に抵抗し、岩盤規制を打ち破れない日本にとって、他山の石でもある。ロシア経済が自立できない最大の要因はものづくりができず、原油、天然ガス、木材などの第一次資源輸出によって支えられている発展途上国型の経済にとどまっていることだ。原油輸出への依存度はとりわけ高く、政府歳入の4割を占める。その原油価格が大幅かつ急激に下落中である。2014年6月には1バレル107ドルだったが、12月10日には70ドルを割った。ロシア政府の予算は1バレル100ドルを前提に編成されており、60ドル台突入は政権基盤を激しく揺るがす。...