- 2016.10.29
- 一般公開
フィリピンが中国に擦り寄る理由は大統領の思想と米政府の失策にあり
『週刊ダイヤモンド』 2016年10月29日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1155当欄の原稿執筆中のいま、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が中国を訪問中である。大統領は10月19日までに中国国営中央テレビの取材に応じ、「中国がフィリピン経済にとって唯一の希望だ」と語った。20日の習近平国家主席との会談では、南シナ海問題が事実上棚上げにされる。 オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、中国の主張を全面的に退けた裁定を、なぜ中国に突き付けないのか。フィリピンの国土と領海を奪い、軍事要塞化を続ける中国に「礼を重んじる東洋的なやり方」で応じるのはなぜか。反対に少なくとも南シナ海問題でフィリピン側に立つ米国に、なぜ、罵詈雑言を投げ付けるのか。...