- 2016.10.06
- 一般公開
いま、喫緊の課題は憲法改正とTPP
『週刊新潮』 2016年10月6日号日本ルネッサンス 第723回「憲法はどうあるべきか。日本が、これから、どういう国を目指すのか。それを決めるのは政府ではありません。国民です。そして、その案を国民に提示するのは、私たち国会議員の責任であります」 安倍晋三首相は9月26日、臨時国会での所信表明演説でこう語り、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の早期発効を大きなチャンスとし」たい、と強調した。...
『週刊新潮』 2016年10月6日号日本ルネッサンス 第723回「憲法はどうあるべきか。日本が、これから、どういう国を目指すのか。それを決めるのは政府ではありません。国民です。そして、その案を国民に提示するのは、私たち国会議員の責任であります」 安倍晋三首相は9月26日、臨時国会での所信表明演説でこう語り、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の早期発効を大きなチャンスとし」たい、と強調した。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年10月1日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1151政府は9月23日、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉を閣議決定した。他方、核燃料サイクルは堅持するとの方針だ。だが、もんじゅ廃炉は日本の核燃料サイクルの技術継承を断ち切ることであり、政府の主張は矛盾している。 政府はフランスの次世代高速増殖炉アストリッドの開発に協力することで技術継承を可能にすると説明する。ところが、東京大学大学院教授の岡本孝司氏は、そもそももんじゅとアストリッドでは目的やシステムが全く異なると指摘する。...
『週刊新潮』 2016年9月29日号日本ルネッサンス 第722回 9月17日、東京・平河町で拉致問題に関する国民大集会が開かれた。安倍晋三首相が加藤勝信拉致問題担当大臣らと共に出席、「拉致問題は安倍内閣で解決する」と改めて強調した。 ...
『週刊ダイヤモンド』 2016年9月24日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1150安倍晋三首相のプーチン大統領に対する姿勢は突出して積極的である。9月2、3日、ウラジオストクにおける日露首脳会談と東方経済フォーラムで、首相は日露関係は「無限の可能性を秘め」ており、「ウラジーミル、あなたと一緒に、力の限り、日本とロシアの関係を前進させていく覚悟であります」と述べた。 北方領土返還が課題であるにしても、警鐘を鳴らす専門家は少なくない。客観的にはプーチン大統領側に北方領土を返還する兆しも、プーチン戦略も、よく見えてこないからである。...
『週刊新潮』 2016年9月22日号日本ルネッサンス 第721回日本人と韓国人を知り尽している呉善花氏に、韓国の反日の現状について聞いた。9月9日の「言論テレビ」で映像を示しながら氏が解説した内容は、今更ながら日韓関係の難しさを痛感させるものだった。 安倍晋三首相と朴槿恵大統領の関係を見れば、日韓関係はかつてないほど良好だ。両首脳は先週、ラオスのビエンチャンで会談したが、雰囲気は友好的で、北朝鮮や中国の脅威に対して、協力し合う認識を共有していた。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年9月17日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1149中国浙江省杭州からラオスの首都ビエンチャンへ、安倍晋三首相はこの1週間で韓国の朴槿恵大統領と2回、会談した。 ビエンチャンでは両首脳のみならず、双方の代表団はかつてない親密な雰囲気に包まれていたと報道された。...
『週刊新潮』 2016年9月15日号日本ルネッサンス 第720回9月4日、5日に開催された中国浙江省杭州でのG20(主要20か国・地域)首脳会議、続いて6日から開催されているラオスでの東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は、オバマ政権の8年間の失策を、残酷なまでに描き出した。 西側社会の価値観に挑戦し続ける中国は、南シナ海問題に関する自身への非難を封じ込めながら、飽くまでも貪欲に自らの道を進む姿勢を明確にした。異質の国の中国を、オバマ大統領は阻めなかった。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年9月10日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1148日本およびアフリカ五四カ国の首脳が集うアフリカ開発会議(TICAD)が8月27、28日にケニアのナイロビで開かれた。日本主導の同会議は、5年に1度だったのが、これからは3年に1度となる。今回初めてアフリカで開催され、安倍晋三首相がナイロビを訪れた。日本国首相として、15年ぶりのアフリカ訪問である。 多くの問題はあっても非常に大きな可能性を内在しているアフリカの将来は豊穣な大地のようなものだ。資本と知恵を投入し、きっかけを与えれば豊かな果実を生み出す。...
『週刊新潮』 2016年9月8日号日本ルネッサンス 第719回意外なことに中国人には強い被害感情がある。彼らは度々、「奪われた」と語り、力をつけたいまは取り戻す時期だという。深層心理に澱のように蓄積しているこの強い被害者意識が、中国を反撃としての膨張主義に駆り立てる。習近平国家主席の「偉大なる中華民族の復興」を支える基盤にも同様の要素がある。 中国人の心理を文化人類学者の楊海英氏は「コンプレックス」だと分析する。コンプレックスの塊りとしての心理を歴史的背景の中でとらえることなしには、現在の中国の行動を理解することはできない。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年9月3日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1147悪貨は良貨を駆逐するといわれる。だが、中国が席巻するアジアにしてはならない。いま、私たちはその岐路に立っていると、強気に出る彼らを見て思う。 8月24日、日中韓外相会談に続いて、岸田文雄外相は東京で中国の王毅外相と会談した。岸田氏が「中国公船」が尖閣諸島周辺で相次いで領海侵入していると抗議すると、王外相は尖閣諸島は中国領だと、従来通りの主張で反論、記者団に「事態は基本的に正常な状態に戻った」と述べた。...
『週刊新潮』 2016年9月1日号日本ルネッサンス 第718回伊藤祐靖氏の『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』(文春新書)を読み始めて、涙が出た。 本書で伊藤氏は、国民を守り国を守るとは何かを問いつつ、国とは何か、日本とは何かと問うている。命を賭けて必死に問うている。自力で国を守るという基本を忘れさせられ、その状況に慣れてしまった、現在の日本の壮大な喪失に、全力で異議を唱えている。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年8月27日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1146国立静岡大学教授の楊海英氏から日本文化人類学会発行の専門誌、「文化人類学」(巻81-1、2016)を渡された。雑誌には韓国東亜大学教授、崔吉城氏のインタビューが掲載されていた。 崔氏は1940年生まれ、国立ソウル大学を卒業し、日本の筑波大学で文化人類学博士号を取得、中部大学、広島大学でも教鞭を執った。氏の研究は韓国のシャーマニズムから始まり、キリスト教、日韓の文化、慰安婦の研究と幅広い。日本留学の結果、氏は「親日派」とされ、長年にわたる差別に直面して今日に至る。...
『週刊新潮』 2016年8月25日号日本ルネッサンス 第717回中国の対日政策が強硬さを増している。8月3日以降連日、これまでに例のないほど多数の海警局の公船が漁船群と共に、尖閣諸島の接続水域だけでなく、領海を侵犯し始めた。8日には公船は15隻に増え、内、少くとも7隻は機関砲などで武装しており、15隻中9隻がわが国の領海を侵犯した。一方、漁船は230隻、延べで43隻が領海を侵犯した。 五星紅旗を翻して尖閣の青い海をわが物顔に航行する中国の振舞いは、明らかに尖閣が新たな危機を迎えたことを示している。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年8月13・20日合併号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1145 どこまで皆で情報を共有できるか──。この点が民主主義の基本であり、比類なく大事な価値観である。 その上で、メディアは情報をどう扱うべきかという問題がある。特定の情報を公開するのか否かを含めて、情報の扱い方はその社会、あるいは国家の成熟度と知性の程を示す。...
『週刊新潮』 2016年8月11・18日合併号日本ルネッサンス 第716回梅雨が明けて本格的な暑さがやってきた。世の中は、参院議員選挙に続いて東京都知事選挙、9月には民進党の代表選挙が続く。アメリカでは民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏が激しく競り合い、互いを非難し合う。 だが、最も気にかかるのは、日本の在り方である。折しも天皇陛下が今後の皇室の在り方について、直接、国民に語りかけられるという。私心を超えて日本の歴史と文明に基づくお言葉を発せられるものと期待しているが、譲位のご意向についてすでに多くの人々が論評し始めた。右も左も決して、お言葉を政治利用してはならないのであり、私は陛下のお言葉を待ちたいと思う。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年8月6日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1144 いま、中国にどう向き合うべきか。その要点は、中国はいまの国際社会には受け入れられない「異形の大国」であることを彼らに認識させることだ。 7月12日のオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の裁定が中国の主張を全面的に否定した後、一貫して中国は強硬姿勢を強めている。7月25日の東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議の共同声明では南シナ海裁定については全く触れられなかった。日本や米国が出席しないASEAN諸国の会議に、中国が強い影響力を行使した結果である。カンボジアを抱き込んで、分断工作に成功したのである。...
『週刊新潮』 2016年8月4日号日本ルネッサンス 第715回南シナ海は誰のものか。国際社会の公共財である海の秩序を国際法で守るのか、強国が力に任せて支配するのか。 この問いの前で、南シナ海の殆ど全てを自国領だとする中国の主張が悉く否定され中国が完膚無きまでの敗北を喫したのが7月12日だった。...
『週刊ダイヤモンド』 2016年7月30日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1143 フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、7月19日、南シナ海問題で中国とは交渉しないと、マニラを訪れた米国議員団に語った。 南シナ海のほぼ全域が自国の領有だとする中国に対して、ドゥテルテ大統領はオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所がどのような裁定を下しても、話し合いで臨むと明言してきた。氏は、大統領選挙のキャンペーンで、「中国が貧しいフィリピンの鉄道建設に資金提供するなら、南シナ海問題について口を閉ざしてもよい」とまで語った人物だ。...
『週刊新潮』 2016年7月28日号日本ルネッサンス 第715回オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が下した南シナ海問題に関する裁定への中国の反発は常軌を逸している。公然と国際法を否定する中国の前で、法治を旨とする民主主義陣営が確固たる手を打てないとしたら、ハーグの仲裁裁判所も国際法も意味を失う。いま世界は国際法を守るのか破るのか、法治を徹底させ得るのか、暴力支配の原理を許してしまうのか、という分岐点に立っている。 フィリピンの訴えから3年半、裁定は7月12日に下った。骨子は、...
『週刊ダイヤモンド』 2016年7月23日号新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1142国際法を守る陣営と、守らない陣営との対立が、際立つ形で浮上した。 2016年7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、南シナ海における中国の主張や行動は国連海洋法条約に違反するとしてフィリピン政府が訴えた件に関して、中国が南シナ海に独自に設定した境界線「九段線」には法的根拠がないとの判断を示した。裁定は確定的で上訴は許されない。...
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